ツーリング特集

秋の大山環状道路で絶景紅葉ツーリング

紅葉

紅葉に包まれる大山の秋

鳥取県の大山をぐるりと囲む大山環状道路は、秋になると山全体が紅葉に染まり、ツーリングの目的地として注目されています。ブナやミズナラの林が色づく10月下旬から11月上旬にかけては、周辺が赤や黄色に変わり、道中そのものが見どころになります。なかでも鍵掛峠は、大山南壁を背景にした眺望が有名で、紅葉とのコントラストも見事です。

観光シーズンは昼前後に混雑が集中するため、早朝の時間帯に走ると道が空いていて快適です。日が昇るにつれて光の当たり方が変わるため、時間によって違った景色が楽しめるのも特徴のひとつです。車や観光バスの少ない時間帯にゆっくり走ることで、紅葉の美しさをより深く味わえるでしょう。

大山を一周する環状ルート

大山環状道路は全長約64km。大山を囲むように整備された道で、場所によって走行のしやすさに違いがあります。南側の区間は道幅が広く、カーブも穏やかで、初めてのツーリングやリターンライダーにも向いています。一方、北東側のエリアはタイトな峠道が続き、走行経験のある方にとっては走りごたえのあるルートです。

モデルルートとしては、米子ICを起点に大山寺、桝水高原、鍵掛峠、鬼女台を経て蒜山方面に抜け、溝口ICへ戻る構成が一般的です。標高差があるため、紅葉の進み具合が場所によって異なり、色づき始めのエリアとピークを迎えたエリアを同時に楽しめることもあります。

走行時は、朝晩の冷え込みに備えた服装が必要です。山間部では気温が急に下がることがあり、防風素材のアウターやインナーで調整できる準備をしておくと安心です。天気の変化にも注意しながら、無理のないペースで巡りましょう。

立寄りスポットと季節の味覚

道中には、休憩と観光を兼ねた立寄りスポットも複数。大山寺周辺は紅葉の時期になると境内の木々が赤く染まり、歴史的な建物と自然の色づきが調和する落ち着いた雰囲気が漂います。参道沿いには地元の甘味を扱う店もあり、ぜんざいや団子などの素朴なおやつを味わえます。

桝水高原からの展望や、鬼女台展望休憩所から見下ろす蒜山高原も印象的です。どちらも開放感があり、視界の抜ける場所でゆったりとした時間を過ごせます。さらに、大山まきばみるくの里では放牧された牛を見ながらソフトクリームや地元の乳製品を楽しむことができ、ライダーの立ち寄り先としても人気です。

帰路に少し寄り道をすれば、とっとり花回廊といった観光施設にもアクセスできます。紅葉と花が同時に楽しめるこの時期ならではの過ごし方として、行程に組み込んでみるのも一案です。走りと景色、そして地元の味わいを楽しみながら巡る秋の大山は、忘れがたいツーリング体験になるでしょう。