トライアンフ

トライアンフの歴史

現存するバイクメーカーの中では最古の部類に入り、かつては「世界最速の市販車メーカー」の称号を受けながらも倒産し、その後に奇跡の復活を果たしたトライアンフ。
今ではハーレーダビッドソン、BMW、ドゥカテイ等と肩を並べる存在にまでなった、イギリスのバイクメーカーです。

1902年にトライアンフとして初めてのバイク「ナンバー1」を発売し、バイクメーカーとして名乗りを挙げると、やがてイギリスを代表する存在となって行きます。
1915年に生産された空冷単気筒499㏄エンジンの「タイプH」は、信頼性の高さから「トラスティ・トライアンフ」と呼ばれ、軍用車両として活躍します。

それまであった自動車部門を分割してバイクの製造に特化すると、「スピードツイン」(T100)で最高時速140km以上を記録し、その後のブリティッシュモーターサイクルの道筋を築きます。
1959年には、それまでに最高速度を記録した場所「ボンネビル」の名を冠したモデルを発表し、このモデルは現在でも復活生産されています。

ここまで数々のレースに優勝し、最高速度を記録していたトライアンフですが、1960年に入ると日本製のバイクが台頭してきて、販売台数が激減してきます。
そしてとうとう1983年には倒産し、トライアンフの歴史を築き上げて来たメリデン工場が閉鎖されました。

トライアンフのその後のモデルは、他の工場でのライセンス生産のみとなり、「純粋なトライアンフ」の登場は、1991年にまで待たなければなりません。
この新生トライアンフには、日本のカワサキの技術が投入され、過去の技術とは決別しており、充分に日本車と対抗する事が可能で、かつトライアンフ独自のコンセプトが受け継がれています。

トライアンフの魅力

現在のトライアンフのエンジン形式は大きく分けると、「2気筒系」と「3気筒系」の二種類に分けられ、特にトライアンフの特徴を出しているのは、三気筒系です。
他のバイクメーカー(特に大排気量車)のほとんどが2気筒もしくは4気筒に対して、トライアンフが3気筒を主力モデルとしているのには、理由があります。

ハイパワーを求める為には回転数を稼ぐ必要があり、それにはマルチシリンダー化するのが有利なので、必然的に4~6気筒エンジンにする事が求められました。
しかしマルチシリンダー化をすると、1気筒当たりの排気量がどうしても小さくなるので、低速トルクが不足がちになります。

そこで2と4の間の3気筒にする事で、低回転からのトルクフルな走りを実現しながらも、高回転までストレス無く吹き上がる、トリプルエンジンを作り上げました。
日本の1000CCロードスポーツが200psクラスのエンジンを搭載しているに対して、135psと扱いやすく、かつ公道走行には十分の性能を発揮しています。

また、トライアンフの魅力はエンジンだけでは無く、そのデザインにもあります。
往年の「ロッカーズ」を彷彿させるクラシック感満載のボンネビルや、SFやアクション映画にも登場した未来的デザインのスピードトリプル等は、大人気モデルとなっています。

トライアンフの人気車種

2002年登場したデイトナは、発売当初から非常に高いパフォーマンスを発揮し、マン島TTレースで優勝するなどで、現在でも人気の高いモデルです。
発売当初は並列4気筒600㏄でしたが、現在はトライアンフの十八番の3気筒675㏄となり、ミドルクラスのスーパースポーツバイクとしては性能・人気とも、国産メーカーに負けていません。

メーカー製カスタムバイク色の強いスピードトリプルは、ストリートファイター系のデザインで、1994年にデビューすると、あっと言う間に人気が出て、新生トライアンフの象徴となりました。
搭載されている水冷並列3気筒エンジンは高出力ながら扱いやすく、その独創的なデザインは、現在のロードスポーツモデルの元祖と言ってもいいでしょう。

人気があるのは3気筒モデルばかりではありません。
空冷バーチカルツィンのボンネビルも非常に人気が高く、映画「大脱走」でのスティーブ・マックイーン仕様が販売されたりもしています。

最古のバイクメーカーながらも一度は倒産の憂き目に会い、その後は見事復活し、現在では世界中のバイクファンやメーカーからも、一目置かれる存在となったトライアンフ。
その先進的な技術やデザインの歩みは、今後も止まる事は無いでしょう。